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くりえいと歯科おおかわちクリニック 福岡県宗像市くりえいと三丁目3番1号 月~土9:00~17:30まで診療 最終受付17:00 ご予約はお電話番号0940-39-8020まで

実際の治療内容

根管治療・歯内療法治療集 3ページ目

注※ここから先は虫歯の写真や歯茎からの出血を伴う写真がアップで表示されます。

case3-5
93%の確率で存在する上顎大臼歯の4根管目(MB2根)の探索

治療の流れ
治療の流れの写真:3根拡大後にMB2根を探索し拡大したところまで

【概要】
通常歯科の教科書的には、上顎第一大臼歯(6歳のときに最初に生えてくる永久歯です。6歳臼歯とも呼ばれます)の根は3つということになっています。ですが、1999年に出ている文献ですでに4根管目(MB2)がある確率は93%であるという結果が出ており、またその後ろの上顎第二大臼歯も60%の確率で4根管目が存在するということが明らかになっています。なぜ3根管と思われているかというと、4根管目は慣れていないと見つけて治療することが困難だからです。そのため神経を取る処置を行う場合や、感染根管に対する治療を行う場合も3根管しか治療を行っていないことがほとんどです。この上顎第一大臼歯のMB2根以外にも下顎前歯の2根管目や上顎小臼歯の3根管目、下顎大臼歯のMM根やD根がDBとDLに分かれている、樋状根、イスムス、フィン等、通常の治療では触られることがない空間が歯の中には存在しています。これらをなるべく逃さず且つ歯になるべくダメージを与えずしっかり綺麗にできることが大切です。
  • 【治療回数】
    2回 60分+60分(この後も根管治療が続きます)
  • 【方法】
    まず通常の3根(P根、MB1根、DB根)の根管を明示し、1方向からすべての根管が見えるように内開きに窩洞を整え、根尖まで綺麗にし形を整えます。MB2根はMB1根と根尖で繋がっていることが多いため、最初からは触らず、MB1を最終形成してから触った方がファイル破折やレッジ形成などのリスクも下げられ、結果的に治療も早く終わります。その後MB2を探し、拡大していきます。MB1と2の間にイスムスがあり繋がっている場合は、イスムス除去も行います。
    上顎第一大臼歯の根管治療の場合はまずMB2根はあると思いながら触るのが大事です。
  • 【備考・副作用・デメリット】
    歯の形が複雑であった場合や、すでに治療済で根管形態が失われている場合は時間がかかる場合があります。
    ファイルやリーマーといった、チタン製ステンレス製の器具を使用します。それらが破折し根管内に残ることがあります。除去可能な場合は除去しますし、除去しなくても成功率に影響がない状態のことが多いですが、必要な場合は外科的に除去する必要があります。
    すでに破折が存在する歯や、虫歯で歯質が脆弱になっている歯の場合、歯が治療の負担に耐えられず大きく破折することがあります。状態によりますが、破折部位によっては抜歯が必要になる可能性があります。
    MTAセメントの他、Biodentin、EndoSequence BC Sealerといったケイ酸カルシウムセメント製剤(未承認医薬品)を使用します。アメリカを筆頭に海外の専門医達は根管充填材はMTAセメントよりもケイ酸カルシウムセメントが主流です。当院では成分だけでなく世界的に広く使用されているものと同じ製品を使用しております。MTAセメントもケイ酸カルシウムを主成分としていますが、BiodentinやEndoSequence BC SealerはMTAより扱い易く色々な物性のものがあります。硬化時間や硬化後の強度も様々で、MTAセメントだと溶けてなくなってしまうような場面でもより確実な操作が可能です。未承認医薬品は歯科モールから購入しております。
  • 【費用】
    自費根管治療(自費:40000+税)(この1回だけでなく、この後の根管治療も含みます)

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